例年、看護師国家資格に合格する人は4万5千人以上と言われているにも関わらず、戦後以降、看護師不足は慢性化しています。資格を持っていても、看護師としての仕事をしていない潜在看護師の数は55万人を超えるといわれており、離職率は決して低くないことが窺えます。統計によると、離職率は低下傾向にあるものの、常勤看護師の離職率は2015年度で10.9%、新卒看護師で7.8%になっているそうです。
看護師の退職経験がある人へのアンケートによると、出産や育児を理由に退職した人はかなりの数に上り、結婚と他の職場への興味から離職した人がこれに次いでいるようです。一般的に出産よりも結婚が先に来るため、多くの人は結婚が決まったときに自分のキャリアについて熟考することになると思いますし、女性の場合は出産をすれば育児に時間が取られてしまい、常勤での勤務は難しくなります。そのため、このようなアンケート結果に繋がったのかもしれません。
女性の場合は特にライフステージが変化しやすいので、この傾向は顕著かもしれません。ですから、人生のターニングポイントに立ったときには、一人で悩まないことが大切です。幸い看護師は一旦離職しても復職しやすい職業だといわれています。働き方を変えるだけでも、家庭と仕事の両立は可能なので、ぜひ生活環境を理由に離職を考える時には、周りに人に相談したり、柔軟な考え方を持ってキャリアについても考えてみてほしいと思います。